キミを倒すにはHPが足りてない。
初めて出会った三年前。
敵国の王族同士とも知らず、お忍びで遊びに行っていた城下町で出会い、恋に落ちた二人は、好きになってはいけないと分かっていてもお互いを想いあっていた。
誰にも打ち明けることができず、会えるのは3ヶ月に一度開かれる混国パーティーで抜け出す10分間だけ。
短い逢瀬を何度も重ね、それでも互いを好き合っていたからこそ、二人は決めた。
国を捨てて愛を選ぶことを。
ただし、連れ戻されたり手配されたりするのは目に見えているから、二人は悪魔のもとにやってきたのだ。
誰にも邪魔されない、幸せな未来を築くために。
禁断でもなんでもない、ごくごく普通の愛を手に入れるために。
【なるほど。そういうことか、人間よ。
事情はよくわかった。
ゆえに、契約してやろう】
悪魔は微笑む。
それはそれは不気味な顔で。
【契約はすぐ終わる。
ただし、一人ずつの契約となるから、順番に行おう。まずはお姫様。こちらへ来い】
悪魔の長い爪先に手招きされ、姫は一瞬の間姿を消した。
どこへ行っていたのかって?
それは、相手は悪魔だもの。
無人の空間を簡単に作り出せてしまう。
そこへ行っていたのだ。
【次に王子よ。お前の番だ】
「わかった」
姫と入れ替わりで、王子も悪魔の作り出す無人空間へと招かれる。
そして、悪魔は王子に問うた。
【お前の一番大切なものはなんだ?】
敵国の王族同士とも知らず、お忍びで遊びに行っていた城下町で出会い、恋に落ちた二人は、好きになってはいけないと分かっていてもお互いを想いあっていた。
誰にも打ち明けることができず、会えるのは3ヶ月に一度開かれる混国パーティーで抜け出す10分間だけ。
短い逢瀬を何度も重ね、それでも互いを好き合っていたからこそ、二人は決めた。
国を捨てて愛を選ぶことを。
ただし、連れ戻されたり手配されたりするのは目に見えているから、二人は悪魔のもとにやってきたのだ。
誰にも邪魔されない、幸せな未来を築くために。
禁断でもなんでもない、ごくごく普通の愛を手に入れるために。
【なるほど。そういうことか、人間よ。
事情はよくわかった。
ゆえに、契約してやろう】
悪魔は微笑む。
それはそれは不気味な顔で。
【契約はすぐ終わる。
ただし、一人ずつの契約となるから、順番に行おう。まずはお姫様。こちらへ来い】
悪魔の長い爪先に手招きされ、姫は一瞬の間姿を消した。
どこへ行っていたのかって?
それは、相手は悪魔だもの。
無人の空間を簡単に作り出せてしまう。
そこへ行っていたのだ。
【次に王子よ。お前の番だ】
「わかった」
姫と入れ替わりで、王子も悪魔の作り出す無人空間へと招かれる。
そして、悪魔は王子に問うた。
【お前の一番大切なものはなんだ?】