カレシとお付き合い② 森君と杏珠
♢
「あと2日だね」
と森君に話しかけられた。
毎日、委員会があったけど、学祭まであと2日か。
委員が終わったら、森君と一緒にいるのも終わりなのかな。
委員会のメンバーだから、今年の学祭は一日中お仕事をしている。
誰と回るとか、森君が誰かと過ごすとか、私一緒に回りたいとか、いろいろ考えなくていいから少し楽だけど⋯⋯ 。
「あんじゅ? 」
「⋯⋯ 」
気がついたら、森君が心配そうに私を見ていた。
「最近、なんか変だね? どうした? 」
森君じゃん、と思ってせつなくなった。
あなただよ、あなたが分からなくて、弱ってるんだよ⋯⋯ 。
森君が私じゃなくてサエキさんの方に行ったから、なのにこうして話しかけてくれるから考えてるんだよ。
「⋯⋯ 」
黙り込んで、森君を眺めて、動けなくてじっと見ていた。
「言って欲しいかな? オレに。あんじゅの思ってる事」
「なんで? 」
なんでそんなことばっかし言うんだこの人。
私はぐるぐるずっと考えてるから、いきなり言う言葉は、よりにもよって『何で』って森君を責めたようになった
優しくて心配そうに聞いてくれる森君が、サエキさんに遠慮なく話す姿に重なってズキンと心がした。
関係が深い彼女が他にいて、
大事な事は何にも言わなくて。
そんな、当たりさわりない態度を私にもみんなにして、
でも、私は、そんな彼がいいと思ったんだ。
そこが森君の良いところって知ってるじゃない。
みんなに態度を変えなくて、カッコよくて、甘くて、優しくて、大人みたいで。
冷静で、説得力があって⋯⋯ 。
でも、もどかしい。
森君を見ている時はいいと思ってたけど、実際、渦中に入ったらそんな同じような優しさ、もう私は辛いんだ。
もっと欲しい。
もっと、深く向き合ってほしい。
全部話して欲しい。
もっと私だけをトクベツにして欲しい。
もっと⋯⋯ 。
「ずっと気になってたからだよ、あんじゅが⋯⋯ 」
森君が私の目を見て言った。
「あんじゅの気持ちが知りたい」
「あと2日だね」
と森君に話しかけられた。
毎日、委員会があったけど、学祭まであと2日か。
委員が終わったら、森君と一緒にいるのも終わりなのかな。
委員会のメンバーだから、今年の学祭は一日中お仕事をしている。
誰と回るとか、森君が誰かと過ごすとか、私一緒に回りたいとか、いろいろ考えなくていいから少し楽だけど⋯⋯ 。
「あんじゅ? 」
「⋯⋯ 」
気がついたら、森君が心配そうに私を見ていた。
「最近、なんか変だね? どうした? 」
森君じゃん、と思ってせつなくなった。
あなただよ、あなたが分からなくて、弱ってるんだよ⋯⋯ 。
森君が私じゃなくてサエキさんの方に行ったから、なのにこうして話しかけてくれるから考えてるんだよ。
「⋯⋯ 」
黙り込んで、森君を眺めて、動けなくてじっと見ていた。
「言って欲しいかな? オレに。あんじゅの思ってる事」
「なんで? 」
なんでそんなことばっかし言うんだこの人。
私はぐるぐるずっと考えてるから、いきなり言う言葉は、よりにもよって『何で』って森君を責めたようになった
優しくて心配そうに聞いてくれる森君が、サエキさんに遠慮なく話す姿に重なってズキンと心がした。
関係が深い彼女が他にいて、
大事な事は何にも言わなくて。
そんな、当たりさわりない態度を私にもみんなにして、
でも、私は、そんな彼がいいと思ったんだ。
そこが森君の良いところって知ってるじゃない。
みんなに態度を変えなくて、カッコよくて、甘くて、優しくて、大人みたいで。
冷静で、説得力があって⋯⋯ 。
でも、もどかしい。
森君を見ている時はいいと思ってたけど、実際、渦中に入ったらそんな同じような優しさ、もう私は辛いんだ。
もっと欲しい。
もっと、深く向き合ってほしい。
全部話して欲しい。
もっと私だけをトクベツにして欲しい。
もっと⋯⋯ 。
「ずっと気になってたからだよ、あんじゅが⋯⋯ 」
森君が私の目を見て言った。
「あんじゅの気持ちが知りたい」