カレシとお付き合い② 森君と杏珠

うわわっ、 しまった! 目が合った。
じろじろ見てたのがバレちゃう!
 

 あわてて紬ちゃんに目線を戻す。
顔がかーっと熱くなるのがわかった。

 森君は顔がすっっごく整ってるから直視出来ないよ⋯⋯ 。
 おでこ、すごい、綺麗な髪、そこからおでこが、また美しく前髪の間から見えてる。

 全身、金色の空気に取り巻かれてるみたい。
見ただけで、なんとも言えない気分になる。
 
 森君の話す声も、高すぎず低すぎず、耳を柔らかく甘くなでる、って、私に話してるんじゃなくて盗み聞だけど。
 今は辻本君と話してる。

 落ち着いてて穏やかで柔らかいけど(りん)とした話し方。
 大人みたいだ。

 いいな、私も話しかけられたら、どんな気持ちになるかな。
 もし彼が私だけを見て話したら⋯⋯ と考える。
 
 ないない!

 同じクラスでも、たまたま近くにいる事がもしあっても、世界が違うって!

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