カレシとお付き合い② 森君と杏珠
♢
森君と高校2年で同じクラスになったんだ。
それまで彼は、『廊下や行事で見たことのある人』だった。
新年度、紬ちゃんとクラスが別れちゃった私はがっかりしていた。
本当のところ、紬ちゃんしか友達がいないっていうか、交友関係も広くなかったので、新クラスには去年一緒だった人が数人いるかな、てぐらいで。
けど特に友達もいなくて、どうしようかと焦った。
女子校では皆んな仲良しで友達だったのに、何だか共学に来てから、男子とも女子ともなかなか上手く話せないんだ⋯⋯ 。
うっ、頑張ろう。
新しい教室に入るのが怖い。
戸口でためらっていた時、真後ろで男の子の声がした。
「教室入る?」
背の高い人。
甘い声。
森君と高校2年で同じクラスになったんだ。
それまで彼は、『廊下や行事で見たことのある人』だった。
新年度、紬ちゃんとクラスが別れちゃった私はがっかりしていた。
本当のところ、紬ちゃんしか友達がいないっていうか、交友関係も広くなかったので、新クラスには去年一緒だった人が数人いるかな、てぐらいで。
けど特に友達もいなくて、どうしようかと焦った。
女子校では皆んな仲良しで友達だったのに、何だか共学に来てから、男子とも女子ともなかなか上手く話せないんだ⋯⋯ 。
うっ、頑張ろう。
新しい教室に入るのが怖い。
戸口でためらっていた時、真後ろで男の子の声がした。
「教室入る?」
背の高い人。
甘い声。