契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


 そう言ってみると、七央さんはなぜだかじっと私の顔を見つめる。

 何か変なことでも言ってしまったかとどきりとした時、七央さんの表情が僅かに緩んだ。


「そうだな。これからは俺がいない間も佑華が管理してくれるから心配ないな」


 さらりと下の名前を口にされて、落ち着いていた鼓動が再び驚いたように跳ね上がる。

 七央さんは私を名前で呼ぶことにもすでに慣れてなんともなさそうで、相変わらず涼しい顔をしている。

 私はひとりでドキッとしているのに、この温度差がなんとも悔しい。


「はい。育て方、私にも教えてください」


 平静を装いつつそう話を締めくくり、食器洗いの続きに取り掛かった。

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