契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
「そういうわけで、早速だけど仕事の予定を教えてほしい。こっちの予定と照らし合わせて、顔合わせの日程を組みたい」
「わかりました。じゃあ、これをいただいたらシフト確認しますね」
仕事のことを考えて、私からも七央さんに聞いておかなくてはいけない重大なことを思い出した。
本当は契約を交わす前に確認しなくてはいけないことだったかもしれないけれど、その時はそこまで頭が回らなかった。
「あの、私からもひとついいですか?」
今度は私のほうから話を切り出すと、七央さんは口にしていたカップをテーブルへと置く。
じっと顔を見つめられて、もう一度「あの」と言い直した。
「この、契約結婚のことは、自分の職場ではできれば伏せておきたいと思って。それは、可能ですか?」
「伏せる? まぁ、事実婚と形態は同じだから籍も入れるわけではないし、伏せてもらってもなんら問題はないけど」