契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


「あ、はい」


 横になったまま返事をすると、ドアが開き七央さんが顔を見せる。

 私の姿を目にした七央さんはわずかに眉根を寄せた。


「どうか、されましたか?」


 慌てて体を起こした私を目にしたまま、七央さんが部屋へと入ってくる。

 一体どうしたのだろうと思っているうち、私が座るソファーの目の前へと近づいた。

 Tシャツにラフなスウェットパンツという、入浴後で休む前の完全プライベートな姿。

 洗いざらしの髪がサラリと流れる七央さんを見上げて、鼓動が高鳴った。


「そんなところで何してるんだ」

「え? 何って、そろそろ休もうかと思ってたんですけど」


 そう答えると、七央さんは私から視線を外し、なぜだか小さく息をつく。


「そんな窮屈なソファーで一晩眠るつもりなのか? 冗談だろ」

「え……」


 思いっきりそのつもりだった私は言葉に詰まる。

 黙る私を前に、七央さんは今度はわかりやすいため息をつき、突然スマートフォンを持ったままの私の腕を掴んだ。


「っ、あの!?」

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