契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


「佑華、ちょっと来て」

「あ、はい」


 キッチンから七央さんに呼ばれて椅子を立ち上がる。

 白い大きなパスタ皿には、美味しそうなトマトのパスタが盛り付けられていた。

 モッツァレラチーズがごろごろ入っているのがたまらない。


「イタリアンパセリを使おうと思って」

「ああ! 出番なんですね」


 シンクのそばに置かれていたイタリアンパセリの鉢。

 元気に育っているその葉を、七央さんが切り取る。

 軽く水洗して水気を取り除き、パスタの上に盛り付けた。


「わぁ……採れたての新鮮なのが載るって贅沢」

「佑華も料理に使っていいから。今みたいにむしって」

「はい。やっぱりオシャレだな~」


 完成したパスタ皿を見て感心していると、横から七央さんが「佑華」と私を呼ぶ。

 顔を上げた私を見下ろした七央さんが「動かないで」と急に二の腕を掴んだ。

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