契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
職場ではもちろん、この契約結婚の話は友人にはしていない。
今のところ、今後も話す予定はない。
だけど、亜紗美には付き合いの長い気心知れた友人として唯一話そうと思っていた。
「ちょっと、話が衝撃すぎてキャパオーバーだわ……」
「それは、ごめん」
頭痛でもしているように眉間を押さえる仕草を見せる亜紗美に素直に謝る。
確かに、逆の立場だったら話についていくのに時間がかかりそうだ。怒涛の急展開すぎる。
「しかも、相手よ、その相手。あの時の、あの機長だっていうんでしょ? ちらっとしか見なかったけど、はっきり覚えてるよ、あの超絶男前」
「ああ、うん。だよね、超絶男前……確かに同感」
「いやいやいや! 佑華はその奥様なんでしょ? 今。何よ、その他人事みたいなリアクションは」
だって、未だに自分のことだと実感が湧かない。
だから、どうも客観的に見ているような気分になってしまうのだ。