契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


 触れ合うと掴まれた手が引かれ、自分の意志で体を起こす。

 お互いに端から中央に体を寄せると、腕が触れ合うほど近くに体が並んだ。

 ずっと使っていなかったベッドの中央に初めて横になる。


「あの……ひとつ、訊いてもいいですか?」


 沈黙になるのは間が持たない気がして、訊こうと思っていたことをタイミングよく思い出す。

 天井を見つめたまま、そっと口を開いた。


「こんな形ではなく……誰かと、恋愛結婚をしようとは思わなかったんですか?」


 いずれ結婚をする時がくるなら、私は恋愛をして結婚したいと、以前契約結婚の話を持ち掛けられた時に主張した。

 その時、七央さんもその考えに同感だと言っていた。

 だけど、こうしてなんの好意も持てない私と契約結婚なんかしている。

 お見合いを回避するために時間がなかったとはいえ、今となっては後悔してないのかと思ってしまう。


「恋愛ということが、俺にはよくわからない」

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