契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
すぐ耳元で聞こえてくる声に、やっと密着している状況を意識する。
心臓が内側から外に向かって叩くように大きく音を立て始めていた。
「でも……それを聞いて、ホッとしてる自分がいる」
抱き締める腕に力がこもり、七央さんの体温が夏の薄い衣服越しに伝わってくる。
下ろしたままの両手をおずおずと広い背中に回し、私のほうからもそっと抱き締め返した。
「佑華、抱きたい」
鼓膜を震わせた声に、心臓が止まってしまったかと思う衝撃を受けた。
七央さんの首筋に顔を埋めたまま、瞬きを忘れて静止する。
腕が解かれ顔を上げられないうち、七央さんはソファーから私を抱き上げた。
「七央さんっ」
私の呼びかけにも七央さんの足は止まらない。
あっという間にふたりの寝室に入っていくと、私をベッドに横にし、覆いかぶさるように自分もベッドへと上がった。
目が合うと同時に唇が重なり合う。
「っ……んっ」
この間の触れるだけの口づけとは違う、唇の弾力を確かめるようなキス。
戸惑っているうちに遠慮なく舌が口内に挿し込まれ、ビクッと肩が震えてしまった。
すぐに私の舌は見つかり、熱い舌に嬲られる。