契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
七央さんの誕生日をふたりでお祝いした日。
私は七央さんに求められるがまま体を許した。
何度も深く重ねられる口づけに酔い、私の全てを暴いていくような指先と唇に何度も啼いた。
汗ばみ引き締まった体に鼓動は最速で打ち続け、耳元で「佑華」と何度も名前を口にされるたび、きゅんと心臓が震えた。
あの晩、七央さんは何度も私を求めた。
果ててもまた貪欲に求め、気付けば窓の外が白んでくるほどの時間になっていた。
そんな風に熱烈に求められた翌日、目が覚めると七央さんはすでにベッドにはいなかった。
リビングに向かうと、そのままにしてしまった前日の片付けを七央さんがひとりしているところで、顔を合わせると何事もなかったように「おはよう」と言われた。
私はどんな顔をして会えばいいのかと散々悩んで寝室を出て行ったのに、七央さんのほうは至って普通で、まるで昨晩のことは私の夢だったかのようなそんな感覚に陥った。
あんな濃厚な時間を過ごしたって、七央さんにとってはなんの感情も有しないことなんだと内心ショックを受けた。