契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
もしかしたら、契約結婚なんてことは関係なく、私を求めてくれているのかもしれない。
私に触れる七央さんが甘く優しく、そして時に激しくて、そんな風な錯覚を覚えてしまった。
だけど、その後は相変わらずの距離間を保ち、私たちは契約結婚の共同生活を送っている。
あの日、七央さんが私を求めたのは、本当に〝誕生日プレゼント〟としてだったのだ。
契約結婚の話を持ち掛けられた時、自分に将来結婚をすることがあるのなら、その時はちゃんと恋愛をして結婚したいと七央さんには話した。
そんな私の考えに共感できると、その時七央さんは言っていた。
契約結婚として始まったふたりだけど、時間を共有することで互いに好意が生まれ、本物の夫婦になっていくことももしかしたらあるのかもしれない。
『じゃあ、契約の条件のひとつに、〝ふたりの関係が恋愛に発展しなかった場合、契約は無効とする〟とでも入れましょうか、期限を決めて』
そんなことも七央さんは言い、契約内容にも盛り込んでいた。
強く意識していないものの、どこかで関係が変化することを考えてしまう自分がいたのかもしれない。