契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


「でも、七央がいきなり結婚してるなんて本当にびっくりした。しかも、佑華さんみたいな可愛い奥さんで更にびっくり」


 褒められ慣れていない私は、こういう風に言われたときに反応に困ってしまう。

「いえ」と言って笑みを浮かべ、誤魔化すようにキャラメルラテに口をつける。

 外が暑かったから冷たいキャラメルラテがいつも以上に美味しい。


「ねぇ、出会いは? 七央とどこで知り合ったの?」

「えっ」

「良かったら聞かせて?」


 いきなりの質問にどきりとする。

 考えてみたら人からこんな風に訊かれるのは初めてで、馴れ初めを話したことなどなかった。

 まさか契約結婚のことは言えないし、普通に出会って恋愛をして、その上で結婚したということにしなくてはならない。


「えっと、旅行の帰りの飛行機で、ちょっとしたトラブルがあって」

「トラブル?」

「機内で陣痛が始まっちゃった妊婦さんがいて、それで、私が助産師なので、対応に当たらせてもらって……」


 そこまで話すと、美鈴さんは二重の目を大きく見開く。

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