契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
「すごいお仕事ですね……なんか、かっこいい」
「そんなことないよ。そんな落ち着きない仕事じゃ、嫁に行き遅れるぞってよく七央に言われてたもん」
そう言った美鈴さんは、「現に行き遅れてるしね」なんて自虐する。
「そんなこと!」
「今年三十だしね。世間では結婚とか気にする歳でしょ?」
「いや、今どきはそんなことないって気もします。私も、自由気ままに独身でもいいやってずっと思ってきたほうなので」
本来の自分の素がつい出てきて、独身女子肯定派を主張する。
美鈴さんはその意見が嬉しかったのか、ぱっと表情を明るくさせた。
「えー! 佑華さんありがとう! そう言ってもらえると救われる~」
話していて表情がころころと変わる美鈴さんは、感情表現が豊かでとにかく明るい。
人を惹きつける魅力がある人だなと、自分にはないものを感じて眩しく目に映る。
「あ、今から向かうって」
話していると、テーブルに置いてある美鈴さんのスマートフォンが短く鳴り、どうやら七央さんからのメッセージを受信したようだ。
なんとなく自分のスマートフォンをバッグから取り出すと、画面には七央さんからのメッセージが通知されていた。