契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


「もう佑華くらいしか頼める相手いないんだもん」

「いや……ほんと、合コンとか私は……」

「あ! そうだ、先に言うべきこと言いそびれてた。その食事会、『アルコバレーノ』を予約してるんだよ。あの予約のなかなか取れない」

「えっ、うそ!」


 逃げ腰だった私が『アルコバレーノ』の名前で途端に食いつく。

 イタリア創作料理『アルコバレーノ』は、昨年オープン直後から話題のレストランで、予約は数か月先までいつもいっぱい。

 予約困難店のためミシュラン三ツ星に選ばれることは難しいらしいが、確実にミシュラン三ツ星レベルの名店だという。


「幻のドルチェプレート。食べたくないの?」


 誘惑するようななぎさの言葉に、ついごくりとのどが鳴る。

 それは、もう、間違いなく即答で……!


「食べたい……!」

「よし、交渉成立!」


 その答えを待っていましたと言わんばかりになぎさが話を締める。

 満足そうに「やったー」と言うなぎさを目に、〝やってしまった……〟と心の中で悔いた。

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