契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
「適当に買ってきたので、お好きなのあればどうぞ」
「わー、嬉しい! どれにしようかな……?」
着替えて病院外でランチをする時間が今日はなく、そう事情を話すと「じゃあ、病院内で何か食べられる?」と訊いてくれた。
入っている焼き立てパンのお店が美味しいと話すと、「パンいいね!」と一緒にパンを食べることで話がまとまった。
適当に買い求めていくから先に中庭で待っていてほしいと伝えて、急いでパンの売店に寄ってきた。
「じゃあ、このコロッケパンとチョココロネにする」
「はい。あ、そのコロッケパンは人気なんですよ。今日は買えたけど、無いことのほうが多くて」
「え、そうなの? 楽しみ!」
「ほくほくの甘いジャガイモで、コーンがごろごろ入ってて。食べごたえありますよ。じゃあ私は……メロンパンにしよう」
木陰だとより涼しくて過ごしやすい。
ふたり並んでパンを食べながら、他愛ない会話のキャッチボールが続く。
「佑華さんとふたりで話したいなって思ってたから、今日会ってもらえてよかった」
「私と、ふたりで?」
美鈴さんは「うん」と頷きにこりと微笑む。