契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


「適当に買ってきたので、お好きなのあればどうぞ」

「わー、嬉しい! どれにしようかな……?」


 着替えて病院外でランチをする時間が今日はなく、そう事情を話すと「じゃあ、病院内で何か食べられる?」と訊いてくれた。

 入っている焼き立てパンのお店が美味しいと話すと、「パンいいね!」と一緒にパンを食べることで話がまとまった。

 適当に買い求めていくから先に中庭で待っていてほしいと伝えて、急いでパンの売店に寄ってきた。


「じゃあ、このコロッケパンとチョココロネにする」

「はい。あ、そのコロッケパンは人気なんですよ。今日は買えたけど、無いことのほうが多くて」

「え、そうなの? 楽しみ!」

「ほくほくの甘いジャガイモで、コーンがごろごろ入ってて。食べごたえありますよ。じゃあ私は……メロンパンにしよう」


 木陰だとより涼しくて過ごしやすい。

 ふたり並んでパンを食べながら、他愛ない会話のキャッチボールが続く。


「佑華さんとふたりで話したいなって思ってたから、今日会ってもらえてよかった」

「私と、ふたりで?」


 美鈴さんは「うん」と頷きにこりと微笑む。

< 216 / 246 >

この作品をシェア

pagetop