契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


「でも、佑華さんにはこうやって言えるのに、七央には言えないんだよね」


 困ったように目尻を下げた美鈴さんが「ははっ」と自分を笑う。


「ずっと、言えないまま……ずっと、想ってる」


 深すぎる想いに言葉が出てこなかった。

 ただ鼓動の高鳴りを感じながら、美鈴さんをじっと見つめる。


 七央さん、ここに、いるじゃん……?

 七央さんのこと、ちゃんと見てくれてる、ずっと、心から想ってくれてる人が──。


「私ね、またしばらく海外に出るの。だから、もう終わりにしようと思ってるんだ。これ以上はダメ。佑華さんとも、これから仲良くしていきたいしさ、ちゃんと気持ちに区切りつけようって思ってるから──」

「その必要は、ないですよ」


 込み上げる気持ちに突き動かされて言葉が出る。

 こんなに真っすぐ、正面からぶつかってきてくれた美鈴さんに、隠すことなんて私には……。


「私たち、契約結婚なんです」

「え……?」

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