契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


「でもさ、佑華もそろそろ出会い、求めてみたら?」


 悪い顔をしてニヤリと笑うなぎさに、「えっ?」と無駄に大きな声で反応してしまう。


「なんで、出会いとか……別に必要ないし」

「そう言うとは思ったけど、そろそろ欲しくない? 彼氏。というか、なんなら将来のパートナー?」

「彼氏……将来のパートナー、ねぇ……」


 二十代も後半。

 三十歳を目前にして、周囲では〝結婚〟という言葉もちらほら聞こえ始めている。

 現になぎさは絶賛婚活中。

 身近なところでいえば、二歳年下の妹も結婚して物凄く幸せそうな姿をそばで見ている。

 だけど、自分自身のこととなると、どうもピンとこない。

 将来的に結婚をしたくないというわけではない。

 愛する人と人生を添い遂げられたら、そんなに幸せなことはないし、子どもだって大好きだから自分の子がいつかは欲しいとも思う。

 でも、どうしても婚活までして相手を見つける気になれないし、誰かと知り合って恋愛するという気持ちが起きない。

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