契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
付き合う相手にめぐり合った時、そのたびに頑張ってみようと思った。
そう思うけれど、やっぱり上手くいかない。
そんなことを数度経験すると、もう恋愛はいいやといつの間にか思うようになっていた。
私はどうやら、恋愛体質にはなれないらしい。
だから今は、何にも気兼ねなく自分の好きなことをして、日々やりがいを感じている仕事に自分の全力を注ぎたいと思っている。
そんな毎日で十分幸せなのだ。
「まだ、恋愛はいいやって気持ちは変わらないの?」
私の恋愛事情を知っているなぎさは、黙る私にそんなことを訊く。
「うん……まぁね。今はスイーツがあれば、私の人生潤ってるかな。恋人はスイーツってのがしっくりきてる」
そんな話をしていると、ナースステーションにコールが入る。
夜間入り口の受付からで、小池さんが到着したという知らせだった。
「小池さん、お迎え行ってくる」
そう言い残し、ナースステーションをあとにした。