契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
妹の佑杏は、去年の春に電撃結婚。
お相手は七歳年上の外科医で、ひとりで行った沖縄旅行の旅先で知り合った。
その旅先で意気投合し、どうやら情熱的な一夜を過ごしてしまったらしい佑杏は、その後妊娠が発覚。
当時、佑杏は彼に迷惑をかけたくないという理由から行方を追うことはせず、ひとりで子どもを産み育てると決意した。
私が助産師だったこともあり、妊娠出産、その後に待ち受ける育児をひとりでこなしていけるのかを話し合った。
それでもお腹に宿った子に会いたいと願った佑杏に、私自身も父親代わりに寄り添っていこうと心の中で誓いを立てていた。
なんなら、生まれてくる子と三人で生きていくのも悪くない。
そんなことを本気で考えていたくらいだ。
しかし、佑杏が恋に落ちた人は最高にいい男だった。
佑杏を見つけ、お腹の子どもごと愛してくれる、文句のつけようのない相手だった。
佑杏にとったら、彼とふたり自分たちの子を育てるのが最善。
父親代わりができなかったのはほんの少し残念ではあったけれど、姉として妹が一番幸せな形で新たな人生を歩み始めたことにはホッと胸を撫でおろした。