契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
「なんだって何よ、なんだって」
「えー? いや、お姉ちゃんは浮かれた話ないのかなーって。妹的にはこれでも気にしてるんだよ」
佑杏は「紅茶でいい?」とお茶の支度を始める。
「浮かれた話って……別に欲してないからいいんだよ」
「え、もしかして、一生結婚する気ないとか?」
いきなり核心に迫った質問をされ、つい口ごもる。
「それは……」
一生……そう言われると、正直わからない。
今は良くても、数年後は気持ちが変わっているかもしれない。
何かのきっかけで猛烈に結婚したくなり、人が変わったように婚活を始めてみたりするかもしれない。
でも、今はその気がない。
「私が杏莉妊娠して、お姉ちゃんのところに転がり込んだ時……お姉ちゃん、一緒に住んで一緒に育てようって言ってくれたじゃん。あの時、すごく心強かったし嬉しかったんだ。だけど……お姉ちゃんは?って思った」
「え……?」
「いい人いないのかなって」
白いティーポットとカップをのせたトレーを手に、佑杏がソファにやってくる。
そこに杏莉のマグも載っているのを見て、そばのベビーチェアに杏莉を抱き上げ座らせた。