契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
君に興味を持った
四月後半の週末、土曜日。
大型連休に入る前の週末も街は人で賑わいをみせている。
「やっぱり今日の佑華、すっごくいいよ、可愛い」
「だからやめてよ、なんか今日のために気合い入れてきたみたいな気分になるじゃん」
「え、多少はそれもあるでしょ?」
「あのねぇ……私がそういうつもりで来たと思ってる?」
「……ないか、ないよね。その店じゃなかったら絶対来なかったもんね」
「そうだよ。TPO的なやつだよ。あと、お店にも失礼ないようにね」
一緒に日勤だった佳純と十七時に仕事を上がり、電車に揺られて向かった先は表参道。
今日はこれから、なぎさに誘われた例の食事会という名の合コンがある。
二日前、佑杏に『着る機会がないから!』と言われて渡されたグレーのシフォンプリーツスカート。
そのスカートに合わせて、スモーキーピンクのリブニットという今日のコーディネート。
仕事が終わって白衣から着替えると、佳純が『可愛い!』と妙に食いついてきたのだ。