契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


「お待たせしましたー。ふたり到着です」


 入ってきた私たちに席につく一同の視線が集まる。

 佳純が「こんばんはー」と気さくに挨拶をしたのに続き、「失礼しまーす」とぺこりと頭を下げた。


「私と同じ職場のふたりです」


 席に掛ける前になぎさが紹介を始めて、佳純が「滝本佳純です。お願いしまーす」と先に名乗る。

 初めましてだと、こういう挨拶をしなくちゃいけないから苦手なんだよね……と心の中で呟きつつ、口を開いた。


「宇佐美佑華です。よろしくお願──」


 挨拶をしながら対面する男性陣に改めて視線を向けて、声がふっと消えていく。

 五人掛けているちょうど真ん中の席に座る男性の顔を見て、思わず「あっ」と言っていた。

 相手のほうも目が合った瞬間、全く同タイミングで「あ……」と声を上げる。

 確認するようにお互いに見つめ合った私たちに、周囲がざわめいた。

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