契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
そう訊くと、宇佐美さんはテーブルの上に視線を落とす。
「結婚願望というのはないと、さっき言いました。だけど、いつか結婚をすることがあれば、ちゃんと恋愛結婚したいって思ってます」
彼女の考えは、まさに俺の思うところと一緒。全く同じことを考えている。
本物の結婚をするなら、それは見合いなんかではなく恋愛結婚が一番いいに決まっている。
その考えまで同じだったことに、ますます彼女にこの話を承諾してもらえたらと思いは固まる。
「宇佐美さんの考え、俺も全く同感です」
「え……?」
「だからこそ、契約結婚の意味があると思いませんか?」
「契約結婚の、意味……?」
「じゃあ、契約の条件のひとつに、〝ふたりの関係が恋愛に発展しなかった場合、契約は無効とする〟とでも入れましょうか、期限を決めて」
考えてもいなかったことを深く考えず口にしてみる。
今は彼女がこの話に乗ってきてくれるように運ぶのが最優先。
話しの内容に納得がいけば、契約結婚を承諾してくれるに違いない。