契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
「ドラマじゃん。そういう話、ドラマであったよね?」
ひと通り話を聞いた佑杏は、興奮冷めやらぬ状態でそんなことを口にする。
話を聞いている間、相槌すら興奮気味で鼻息が荒かった。
「あったね……見てなかったけど」
「そういうのって、フィクションの話だと思ってたんだけど、現実世界にもあるものなの?」
「私も同じこと思って、調べてみたんだけど……実際そういう形で結婚してる人もいるみたいね、世の中には」
俄かに信じがたいことだった。契約結婚なんて、本当にそんな形で結婚する人なんているのかと。
しかし調べてみると、この間桐生さんが言っていたような、互いの条件を出し合って結婚するという人たちがいることを知った。
事情はそれぞれだけど、契約結婚という形は確かに存在している。
「えー、でもすごいじゃん! さすがお姉ちゃんだよ、パイロットとかなんかすごいし、かっこいい!」
「あのねぇ……私はそんな浮かれた気分じゃなくて」
「で、どうするの? するの、その契約結婚」
「え? そんな、簡単に言わないでよ……」