年下彼氏 〜side story〜
兄貴は5歳も上で、子供の頃から出来がよくて、なんでも俺に譲ってくれた。
ゲームも、お菓子も、マンガも。
だけど今回だけは、違う。
“――これでもずいぶん待ってやったんだ”
兄貴が言った言葉を思い出す。
兄貴はたぶん、俺がスタート地点に立つまで待ってくれていた。
けれど、待っても待ってもスタート地点に立たなかった弟に痺れを切らした。
兄貴の中ではきっとクリスマスまでって決めてたんだろう。