破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
今から訂正はできないものかと焦るも、いや待てよと先ほどの光景を思い出す。
ミアとアルバートはザックから注意を受けたばかりだ。
そんな状況でミアが仕掛けてくるだろうか。
ちらりとミアの様子を伺うと、彼女は申し訳なさそうに俯いたままだ。
(これなら大丈夫かも?)
そう考え、アーシェリアスが安心しかけた直後。
「奇遇だな。僕たちも旅の終わりのゴールに王都へ行くんだ」
「ええっ⁉」
アーシェリアスは再びパニックになりかけた。
「なぜ驚く?」
「い、いえ、本当に奇遇だなぁと思って」
敵はミアやアルバートだけじゃない。
一番やっかいなのは、ふたりのルートで生まれるはずだった破滅フラグという運命だ。
(ミアとアルバートの旅の終わりと共に、私の人生も終わったら困る……!)
冷や冷やしながらも、挨拶を交わしてふたりが背を向けると、静観していたノアが「ボク、ミアって人ちょっと苦手」と誰にもなしに零した。
ザックがアーシェリアスの隣に立って、アルバートたちの背中を見送りながら腕を組む。
「……アーシェ、例の運命は手ごわそうだな」
「ええ……運命の修正力って強すぎよね……」
はぁ、と溜め息を吐いたアーシェリアスに、ザックは強い瞳を向けた。
「だとしても、俺が捻じ曲げてやる。俺は旅を決めた時に誓った。アーシェを全力で守ってやるって」
立ち向かう相手が運命という大きなものだとしても。
決意を秘めた瞳を見つめ返し、アーシェリアスは込み上げる気持ちのままに微笑んだ。
「ありがとう、ザック。今日から毎日おやき焼かないとね」
「必要ない。俺の意思で守る」
冗談めかしたアーシェリアスに、愛する者を見つめる瞳で答えたザック。
そこにお腹を空かせたシーゾーが飛び込んできて、アーシェリアスとザックは微笑み合うと支度に戻った。
ミアとアルバートはザックから注意を受けたばかりだ。
そんな状況でミアが仕掛けてくるだろうか。
ちらりとミアの様子を伺うと、彼女は申し訳なさそうに俯いたままだ。
(これなら大丈夫かも?)
そう考え、アーシェリアスが安心しかけた直後。
「奇遇だな。僕たちも旅の終わりのゴールに王都へ行くんだ」
「ええっ⁉」
アーシェリアスは再びパニックになりかけた。
「なぜ驚く?」
「い、いえ、本当に奇遇だなぁと思って」
敵はミアやアルバートだけじゃない。
一番やっかいなのは、ふたりのルートで生まれるはずだった破滅フラグという運命だ。
(ミアとアルバートの旅の終わりと共に、私の人生も終わったら困る……!)
冷や冷やしながらも、挨拶を交わしてふたりが背を向けると、静観していたノアが「ボク、ミアって人ちょっと苦手」と誰にもなしに零した。
ザックがアーシェリアスの隣に立って、アルバートたちの背中を見送りながら腕を組む。
「……アーシェ、例の運命は手ごわそうだな」
「ええ……運命の修正力って強すぎよね……」
はぁ、と溜め息を吐いたアーシェリアスに、ザックは強い瞳を向けた。
「だとしても、俺が捻じ曲げてやる。俺は旅を決めた時に誓った。アーシェを全力で守ってやるって」
立ち向かう相手が運命という大きなものだとしても。
決意を秘めた瞳を見つめ返し、アーシェリアスは込み上げる気持ちのままに微笑んだ。
「ありがとう、ザック。今日から毎日おやき焼かないとね」
「必要ない。俺の意思で守る」
冗談めかしたアーシェリアスに、愛する者を見つめる瞳で答えたザック。
そこにお腹を空かせたシーゾーが飛び込んできて、アーシェリアスとザックは微笑み合うと支度に戻った。