破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
 ザックは求肥に興味があるようで、ホイップと餡子を包むようにして食べている。

「この求肥の食感はもちもちしてて好きだ。これ自体がちょっと甘いんだな」

 味わうザックが求肥だけを切り取って噛んだ。

「そうなの。お砂糖を混ぜてあるのよ」

 砂糖は白玉粉と同じだけの分量を使って蒸しているので甘さも分かりやすい。

「だから甘いんだな。でも、この求肥は作るのに手間がかかってそうだ」

「これは蒸し練りって言われる作り方だから、そうでもないのよ」

 求肥の作り方は難しくない。

 まずは白玉粉と砂糖を混ぜ合わせ、水を少しずつ入れながらダマが無くなるまで混ぜる。

 それを、あらかじめふかして布巾を敷いた蒸し器に流し入れ、蓋を閉めること十五分。

 半透明に固まっているのが確認できたら取り出し、べたつかないよう片栗粉をふりかけつつ生地を伸ばす。

 これで完成だ。

 工程を簡単に説明する間に、エヴァンとノアは大福をペロリと完食。

「ホイップも軽い口当たりで食べやすかった。というか、餡子とホイップの組み合わせは神レベルに美味いな!」

「本当、これは罪深い。アーシェ、ボクこのデザート大好きになっちゃった。また今度食べたいな」

「そんな風に言ってもらえて嬉しいわ! じゃあ次は別のフルーツで作ってみようかな」

 マスカットやバナナ、オレンジなどのフルーツ大福が前世で流行っていたのを思い出しながら話すと、ノアは「楽しみ~!」と満面の笑みを浮かべた。
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