破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
🍝ニラダレ和風パスタの行方
(はぁ……レオ兄様、素敵だったなぁ……)
マレーアを出てから二日。
アーシェリアスは、馬車に揺られながらレオナルドとの別れ際を思い返していた。
『アーシェ、ごめん。俺は仕事でもう出ないといけないんだ』
朝の早い時間。
まだナイトドレス姿のアーシェリアスを抱き締めたレオナルド。
『見送れないのは残念だけど、俺はアーシェの無事をいつも祈っているから』
『ありがとう、兄様』
『またいつでも帰っておいで。何を恐れて旅に出たのかはわからないけれど、俺も力になるよ』
たまにはアイザック様じゃなくて、兄も頼ってくれ──。
耳元でからかうように囁いて、最後にアーシェリアスの頭を撫でたレオナルド。
(あれ、絶対ザックとのこと勘付いてるっぽい言い方よね)
もしかしたら昨夜、庭で語らっていたのを見られていたのかもしれない。
額へのキスも。
そうだとしたら恥ずかしいのだが。
(ちょっと意地悪なレオって、ゲーム内でもスチルイベントでしか見られないやつなのよね)
レアな兄の姿が見られて思い出す度ほくほくのアーシェリアス。
しかしその幸福感も、王都の城壁が見えてくると緊張へと変わる。
マレーアを出てから二日。
アーシェリアスは、馬車に揺られながらレオナルドとの別れ際を思い返していた。
『アーシェ、ごめん。俺は仕事でもう出ないといけないんだ』
朝の早い時間。
まだナイトドレス姿のアーシェリアスを抱き締めたレオナルド。
『見送れないのは残念だけど、俺はアーシェの無事をいつも祈っているから』
『ありがとう、兄様』
『またいつでも帰っておいで。何を恐れて旅に出たのかはわからないけれど、俺も力になるよ』
たまにはアイザック様じゃなくて、兄も頼ってくれ──。
耳元でからかうように囁いて、最後にアーシェリアスの頭を撫でたレオナルド。
(あれ、絶対ザックとのこと勘付いてるっぽい言い方よね)
もしかしたら昨夜、庭で語らっていたのを見られていたのかもしれない。
額へのキスも。
そうだとしたら恥ずかしいのだが。
(ちょっと意地悪なレオって、ゲーム内でもスチルイベントでしか見られないやつなのよね)
レアな兄の姿が見られて思い出す度ほくほくのアーシェリアス。
しかしその幸福感も、王都の城壁が見えてくると緊張へと変わる。