破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
「明日またアーサー兄上の屋敷を訪ねてみる」

「わかった。ふたりとも、あちこちと動いてくれてありがとう」

 礼を述べたアーシェリアスに、ザックが微笑んで答える。

「気にするな。さて、いい加減腹が減ったな」

 ザックとエヴァンは昼からろくに食べずにいたようで、エヴァンが「そうですね」と腹を押さえた。

「じゃあ、レストランに行かない? さっきバレットさんから働いていたレストランを教えてもらったの」

「バレット?」

「あ、そっか。説明しないとね」

 そうして、レストランへと向かう道すがら、アーシェリアスとノアがザックたちと別れてからのことを話して聞かせた。

 バレットが城で働いていることまではノアも『へ~』と意外そうな顔をしていたのだが、アーシェリアスが女王陛下の食事を作った流れにはさすがに皆が驚いた。

 アーシェリアスが無事に戻ってきているということは、イコール問題はなかった証拠。

 夕食をとりながらザックが安堵の息を吐き、ノアが『お城の厨房ってどんな感じだった?』とワクワクしながら尋ねて。

 エヴァンがマンゴーのデザートを堪能してから、一行は明日に供えて早めに休むべく宿屋に戻った。
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