破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
👑女王陛下の求めるものは
緑溢れる丘に聳え立つファーレン城。
総部屋数は六百を超え、歴史を物語る壮麗な外観は見る者を圧倒させる。
旅行で何度か王都を訪れたことのあるアーシェリアスは、その際に城を眺めたことはあった。
だが、実際に入城したのは昨日が初めてである。
といっても昨日はバレットの案内で城門をくぐったあと、裏道を通り食堂へと向かった。
なので、あまり城らしい景色を味わっていなかったため、今、煌びやかな世界に感嘆の息を吐いていた。
重厚で大きい扉が開くと、金縁の装飾が印象的なエントランスホールが広がる。
華やかな空間にノアも口を開けっ放しだ。
「ね、ねえアーシェ。ボク、正装とかしなくて大丈夫?」
いつもは毒舌で余裕のあるノアも、さすがに怖気づいたらしい。
自分の服を気にするノアに、アーシェリアスは微笑みかける。
「そのままで十分可愛いから大丈夫よ」
レースをふんだんにあしらったワンピースを纏うノアの姿は、この城にいて全く違和感はない。
むしろ自分の方が浮いている可能性があると、そっとスカートを抑えた。
騎士エヴァンを伴い歩くザックは、いつもの旅装束ではあるが城にあっても馴染んでいる。
(やっぱり王子様なのね)
大階段の脇に立つ衛兵がザックに頭を下げるのを見て、増々自分の格好が気になってくるがここまで来たら女は度胸。
令嬢として培ってきた(はずの)教養や気品でカバーしようと前向きに考える。
総部屋数は六百を超え、歴史を物語る壮麗な外観は見る者を圧倒させる。
旅行で何度か王都を訪れたことのあるアーシェリアスは、その際に城を眺めたことはあった。
だが、実際に入城したのは昨日が初めてである。
といっても昨日はバレットの案内で城門をくぐったあと、裏道を通り食堂へと向かった。
なので、あまり城らしい景色を味わっていなかったため、今、煌びやかな世界に感嘆の息を吐いていた。
重厚で大きい扉が開くと、金縁の装飾が印象的なエントランスホールが広がる。
華やかな空間にノアも口を開けっ放しだ。
「ね、ねえアーシェ。ボク、正装とかしなくて大丈夫?」
いつもは毒舌で余裕のあるノアも、さすがに怖気づいたらしい。
自分の服を気にするノアに、アーシェリアスは微笑みかける。
「そのままで十分可愛いから大丈夫よ」
レースをふんだんにあしらったワンピースを纏うノアの姿は、この城にいて全く違和感はない。
むしろ自分の方が浮いている可能性があると、そっとスカートを抑えた。
騎士エヴァンを伴い歩くザックは、いつもの旅装束ではあるが城にあっても馴染んでいる。
(やっぱり王子様なのね)
大階段の脇に立つ衛兵がザックに頭を下げるのを見て、増々自分の格好が気になってくるがここまで来たら女は度胸。
令嬢として培ってきた(はずの)教養や気品でカバーしようと前向きに考える。