破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
「アイザック殿下、アーシェリアス様と共に謁見の間へどうぞ。陛下がお待ちです」
衛兵の伝言にザックは小さく頷く。
「わかった。エヴァンとノアは来賓用のサロンで待っててくれ」
「承知しました。行くぞ、ノア」
「うん。アーシェ、頑張ってね」
「ええ、頑張るわ!」
とにかく失礼のないように気をつけることを心に置きながら、アーシェリアスはザックと共に大階段を上がった。
快晴の空色に似た絨毯の上を歩き廊下を進む。
やがて現れたのは、豪奢な扉。
「ここが謁見の間だ。入れるか?」
ザックに尋ねられ、アーシェリアスは「ちょっと待ってね」と瞼を閉じた。
(落ち着くのよ私。相手が女王陛下だと意識しすぎるから緊張するの。そうよ、前世で体験した学芸会を思い出して。観客はみんなジャガイモだと思ったら気が楽になったじゃない。つまり、女王陛下もジャガイモと思えばいけるのよ!)
カッと目を開いてアーシェリアスは胸の前で拳を握る。
「よし! 陛下はジャガイモ」
「は?」
間抜けな声を発したザックは、ワンテンポ遅れて意味を理解し吹き出した。
「ああ、いいなそれ。俺もそう思うかな」
「ザックも緊張してるの?」
「いや? ただ、何を言われてもジャガイモだと思えば痛くもかゆくもないだろ」
微笑するザックの言葉に、彼と女王陛下の間にある確執を思い出す。
(ザックが傷つくのは見たくないな……)
衛兵の伝言にザックは小さく頷く。
「わかった。エヴァンとノアは来賓用のサロンで待っててくれ」
「承知しました。行くぞ、ノア」
「うん。アーシェ、頑張ってね」
「ええ、頑張るわ!」
とにかく失礼のないように気をつけることを心に置きながら、アーシェリアスはザックと共に大階段を上がった。
快晴の空色に似た絨毯の上を歩き廊下を進む。
やがて現れたのは、豪奢な扉。
「ここが謁見の間だ。入れるか?」
ザックに尋ねられ、アーシェリアスは「ちょっと待ってね」と瞼を閉じた。
(落ち着くのよ私。相手が女王陛下だと意識しすぎるから緊張するの。そうよ、前世で体験した学芸会を思い出して。観客はみんなジャガイモだと思ったら気が楽になったじゃない。つまり、女王陛下もジャガイモと思えばいけるのよ!)
カッと目を開いてアーシェリアスは胸の前で拳を握る。
「よし! 陛下はジャガイモ」
「は?」
間抜けな声を発したザックは、ワンテンポ遅れて意味を理解し吹き出した。
「ああ、いいなそれ。俺もそう思うかな」
「ザックも緊張してるの?」
「いや? ただ、何を言われてもジャガイモだと思えば痛くもかゆくもないだろ」
微笑するザックの言葉に、彼と女王陛下の間にある確執を思い出す。
(ザックが傷つくのは見たくないな……)