破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
ジャガイモ効果がザックの心を守ってくれるように祈りつつ、アーシェリアスは深呼吸息した。
何を言われるかはわからないが、昨夜ザックとエヴァンがフォローしてくれたように悪い話ではないはず。
そう信じ、ザックと並んで開いた扉の先を見つめる。
大広間の奥にはファーレンの紋章が施された天蓋。
その下に、女王はいた。
玉座に堂々と座る気品に溢れた壮年の女性が、じっとアーシェリアスを見据えている。
(ううっ、ジャガイモには到底思えないほどの大物オーラ! 負けてはダメよ私の想像力! あれはジャガイモよ!)
必死に脳内でジャガイモへの変換を試みていると、女王の横に立つ際しようと目が合った。
つり上がった双眸は昨日と同じく感情が読みにくい。
変に不安にさせられる気がして、アーシェリアスは唾を飲み込んだ。
その気配に気付いたザックが「アーシェ」と小声で呼ぶ。
「宰相はニンジンでどうだ」
その提案に、アーシェリアスの中で張りつめかけた緊張の糸が緩んだ。
「ふふっ、いい案かも」
零れたアーシェリアスの笑みにザックも微笑むと、ふたりは揃って一歩を踏み出した。
何を言われるかはわからないが、昨夜ザックとエヴァンがフォローしてくれたように悪い話ではないはず。
そう信じ、ザックと並んで開いた扉の先を見つめる。
大広間の奥にはファーレンの紋章が施された天蓋。
その下に、女王はいた。
玉座に堂々と座る気品に溢れた壮年の女性が、じっとアーシェリアスを見据えている。
(ううっ、ジャガイモには到底思えないほどの大物オーラ! 負けてはダメよ私の想像力! あれはジャガイモよ!)
必死に脳内でジャガイモへの変換を試みていると、女王の横に立つ際しようと目が合った。
つり上がった双眸は昨日と同じく感情が読みにくい。
変に不安にさせられる気がして、アーシェリアスは唾を飲み込んだ。
その気配に気付いたザックが「アーシェ」と小声で呼ぶ。
「宰相はニンジンでどうだ」
その提案に、アーシェリアスの中で張りつめかけた緊張の糸が緩んだ。
「ふふっ、いい案かも」
零れたアーシェリアスの笑みにザックも微笑むと、ふたりは揃って一歩を踏み出した。