破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
蝋燭が立つシャンデリアの下を歩き玉座の前に辿り着くと、ザックが丁寧に頭を垂れる。
その隣で、アーシェリアスも片足を後ろに引いてスカートの裾を摘まみ、挨拶の姿勢を取った。
そのままの体勢で、ザックが代表して挨拶する。
「女王陛下におかれましてはご機嫌麗しく」
「アイザック、見聞を広げる旅の調子はいかがかしら」
女王に話しかけられ、ふたりは姿勢を戻した。
「はい、陛下。得るものが多く、充実しています」
「それは重畳ね。この先の旅も頑張ってちょうだい」
「はい」
まだ帰ってこなくてもいい。
そう言っているように聞こえ、アーシェリアスはザックの気持ちを慮り、唇をそっと引き結ぶ。
「それで、あなたがレディアーシェリアス?」
濃く長い睫毛が印象的な切れ長の目が、アーシェリアスを真っ直ぐに正視した。
「はい、女王陛下。マレーア領主ルーヴ家の長女、アーシェリアスにございます」
心臓はいつもより早鐘を打ってはいるが、ジャガイモ変換のおかげで落ち着いて自己紹介をこなす。
「ルーヴ伯のご息女だったのね」
呟いた女王は、品定めするような目つきでアーシェリアスを足先から頭の天辺へと視線を移動させる。
「あなたは、あの料理をどこで知ったのかしら」
「え?」
〝あの料理〟とは、昨日アーシェリアスが作ったスパゲティのことだろう。
だが、どこで知ったかという質問に違和感を持ったアーシェリアスは、答えに戸惑う。
その隣で、アーシェリアスも片足を後ろに引いてスカートの裾を摘まみ、挨拶の姿勢を取った。
そのままの体勢で、ザックが代表して挨拶する。
「女王陛下におかれましてはご機嫌麗しく」
「アイザック、見聞を広げる旅の調子はいかがかしら」
女王に話しかけられ、ふたりは姿勢を戻した。
「はい、陛下。得るものが多く、充実しています」
「それは重畳ね。この先の旅も頑張ってちょうだい」
「はい」
まだ帰ってこなくてもいい。
そう言っているように聞こえ、アーシェリアスはザックの気持ちを慮り、唇をそっと引き結ぶ。
「それで、あなたがレディアーシェリアス?」
濃く長い睫毛が印象的な切れ長の目が、アーシェリアスを真っ直ぐに正視した。
「はい、女王陛下。マレーア領主ルーヴ家の長女、アーシェリアスにございます」
心臓はいつもより早鐘を打ってはいるが、ジャガイモ変換のおかげで落ち着いて自己紹介をこなす。
「ルーヴ伯のご息女だったのね」
呟いた女王は、品定めするような目つきでアーシェリアスを足先から頭の天辺へと視線を移動させる。
「あなたは、あの料理をどこで知ったのかしら」
「え?」
〝あの料理〟とは、昨日アーシェリアスが作ったスパゲティのことだろう。
だが、どこで知ったかという質問に違和感を持ったアーシェリアスは、答えに戸惑う。