破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
アーシェリアスはページに指を挟んでおき、表紙を確認する。
「リンカの献立集」
(カタカナと漢字を使ってる。ああ、やっぱり女将さんとコスタさんのおばあ様、リンカさんは転生者だ)
神様に転生をお願いしたのか。
たまたま転生できたのか。
今度神様に会ったら尋ねてみようと思いながら、最初のページを捲る。
「レディアーシェリアスは読めるのですかな、その文字を」
宰相の声にアーシェリアスが顔を上げると、宰相だけでなく女王も驚きに表情を染め、アーシェリアスを凝視していた。
(しまった! ついに声に出して読んでしまったけど、このままじゃ説明しづらい展開になっちゃう)
ザックは信じてくれたけれど、前世は異世界の人間で、なんて話をするには勇気がいる。
せめてファレ乙の世界に魔法があれば、不可思議なことも受け入れてくれる可能性もあっただろう。
だが、残念ながらそんな世界ではない。
「これはどこの国のものだ」
宰相に問われ、アーシェリアスはレシピ本に視線を落とす。
「それは……」
言い淀むアーシェリアスを助けようと、ザックが口を開こうとした刹那。
「詮索はおよしなさい」
女王が宰相を窘めて止めた。
「リンカの献立集」
(カタカナと漢字を使ってる。ああ、やっぱり女将さんとコスタさんのおばあ様、リンカさんは転生者だ)
神様に転生をお願いしたのか。
たまたま転生できたのか。
今度神様に会ったら尋ねてみようと思いながら、最初のページを捲る。
「レディアーシェリアスは読めるのですかな、その文字を」
宰相の声にアーシェリアスが顔を上げると、宰相だけでなく女王も驚きに表情を染め、アーシェリアスを凝視していた。
(しまった! ついに声に出して読んでしまったけど、このままじゃ説明しづらい展開になっちゃう)
ザックは信じてくれたけれど、前世は異世界の人間で、なんて話をするには勇気がいる。
せめてファレ乙の世界に魔法があれば、不可思議なことも受け入れてくれる可能性もあっただろう。
だが、残念ながらそんな世界ではない。
「これはどこの国のものだ」
宰相に問われ、アーシェリアスはレシピ本に視線を落とす。
「それは……」
言い淀むアーシェリアスを助けようと、ザックが口を開こうとした刹那。
「詮索はおよしなさい」
女王が宰相を窘めて止めた。