破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
「ザック!」
背後から声が掛かったと思えば、がしりと肩を組まれた。
「兄上!」
「そう、お前の大好きな兄上だよ」
キラキラ笑顔の兄アーサーが、愛情たっぷりにザックの頭を撫でる。
「屋敷に帰ったらお前が訪ねてきてくれたと聞いてね」
微笑んで首を傾けたアーサー。
真っ直ぐに伸びた長い金髪がはらりと肩から落ちた。
「おかえり」
「ただいま、兄上」
変わらない兄の優しさにザックが微笑みを返した直後、アーサーがにっこりと意味ありげな笑顔を見せた。
「ところで、さっき遠目にエヴァンが美しいお嬢さん方を連れているのを見かけたが、もしやザックの知り合いかい?」
ああ、始まったぞとザックは呆れて目を細める。
「共に旅をしている仲間です」
「仲間! いい響きだな。黒髪のレディはどこかのご令嬢かな? 薔薇の如く麗しい彼女と、ぜひ仲を深めてみたい」
騎士団を束ね、人望も厚く尊敬してやまない兄なのだが、この女好きが玉に瑕なのだ。
「兄上」
「なんだいザック」
「あの薔薇はダメです」
「ええ? なぜ」
「……俺が、大切に、しているので」
照れながら説明するザックを見て、アーサーは喜んで目を丸くした。
「なんと! ついにお前も恋の良さを知ったか! 初恋のマレーアの少女を越える女性に巡り逢えるとは」
「いや、その少女が彼女で……」
「初恋の少女と会えたのかい⁉ なんて運命的な……!」
感動に打ち震えるアーサーが、もっと話を聞かせてくれとザックの部屋へ入っていく。
「俺の話より、兄上に頼みたいことがあるんです」
そう言って兄の背を追い自室へと戻ったザックは、アーシェリアスを守る為に動いた。
背後から声が掛かったと思えば、がしりと肩を組まれた。
「兄上!」
「そう、お前の大好きな兄上だよ」
キラキラ笑顔の兄アーサーが、愛情たっぷりにザックの頭を撫でる。
「屋敷に帰ったらお前が訪ねてきてくれたと聞いてね」
微笑んで首を傾けたアーサー。
真っ直ぐに伸びた長い金髪がはらりと肩から落ちた。
「おかえり」
「ただいま、兄上」
変わらない兄の優しさにザックが微笑みを返した直後、アーサーがにっこりと意味ありげな笑顔を見せた。
「ところで、さっき遠目にエヴァンが美しいお嬢さん方を連れているのを見かけたが、もしやザックの知り合いかい?」
ああ、始まったぞとザックは呆れて目を細める。
「共に旅をしている仲間です」
「仲間! いい響きだな。黒髪のレディはどこかのご令嬢かな? 薔薇の如く麗しい彼女と、ぜひ仲を深めてみたい」
騎士団を束ね、人望も厚く尊敬してやまない兄なのだが、この女好きが玉に瑕なのだ。
「兄上」
「なんだいザック」
「あの薔薇はダメです」
「ええ? なぜ」
「……俺が、大切に、しているので」
照れながら説明するザックを見て、アーサーは喜んで目を丸くした。
「なんと! ついにお前も恋の良さを知ったか! 初恋のマレーアの少女を越える女性に巡り逢えるとは」
「いや、その少女が彼女で……」
「初恋の少女と会えたのかい⁉ なんて運命的な……!」
感動に打ち震えるアーサーが、もっと話を聞かせてくれとザックの部屋へ入っていく。
「俺の話より、兄上に頼みたいことがあるんです」
そう言って兄の背を追い自室へと戻ったザックは、アーシェリアスを守る為に動いた。