破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
「頷いたものの、疑ってる自分がいたわ。でも、どこかで信じてもいた。いえ……興味、かしら。そんなことがあったら面白いという」

「あの文字は異世界の文字ね?」

「はい……」

「どうりで、調べてもわからないはずだわ」

 納得して少しスッキリした女王の横顔。

 一方、アーシェリアスも答えが得られて合点がいっていた。

(シャーリーン王妃はリンカさんと縁があったのね。それなら転生者じゃなくても日本の料理を作れても不思議じゃない。それに、シャーリーン王妃の話のおかけで、リンカさんが転生者の可能性がますます高まった)

 ただ、転生者だからといって、幻の料理という幸福効果の付くものが作れるのだろうか。

 何か特別な能力をオプションで付けてもらったのかもしれないが……。

(それと、わからないのは王妃ふたりの関係だわ)

 侯爵家の令嬢であるシャーリーンが、なぜ侍女として働いていたのか。

 そこには確かに複雑な経緯がありそうだ。

 そして、今の話だとふたりは仲が良かったように聞こえる。

(後に第二王妃として娶られたことで関係に亀裂が走ったのかな……)

 仲が良かった分、色々な葛藤もあったことだろう。

 ザックとの確執に繋がっているかもしれないので気にはなるが、アーシェリアスに首を突っ込む資格はないので尋ねることはしなかった。
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