破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
「アーシェリアスさん、煮たってきたよ」

「そうしたら灰汁を取ります」

 浮いてきた灰汁を丁寧に取り除き終わると、具に煮汁が満遍なく行き渡るよう鍋に蓋をして弱めの中火にする。

「これで十分から十五分煮ていきます」

「ああ、いい匂いがしてきたな」

 くんくんと鼻を動かすバレット。

 アーシェリアスは肉じゃがを煮ている間に、昨日作っておいたご飯や汁物、付け合わせの仕上げをしていく。

 十分が経ち、味見をして醤油と砂糖を足して調整し、彩りにアスパラを入れ、さらに五分煮たら完成だ。

 これを一度冷まして味を染みこませるのがベストなので、他の調理を手伝ったりしつつ冷ます。

 そうして三十分後、温め直した肉じゃがを盛り付けたら……。

「完成です!」

 アーシェリアスの声と並ぶ料理に、厨房内で拍手が起こった。

「小皿程度ですけど、皆さんが味見できる分もあるので、良かったら食べてください」

 今後、女王が食べたいと望んだ時の参考になれば幸いだ。

 レシピも書き記したものをバレットに渡し、アーシェリアスはいよいよ女王の元へ向かうのだった。
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