破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
女王はアーシェリアスが作った琥珀糖を見つめ、堪えきれず涙を流す。
「今思えばバカみたいだわ。侍女である彼女と過ごした時間はとても楽しかった。中途半端な憎しみなど捨ててしまえればどんなに良かったか」
けれど、大切であればあるほど憎しみも増す。
そのジレンマは、シャーリーンが亡くなってからも女王の胸の内でくすぶり続けた。
肉じゃがを食べたかったのも、琥珀糖についてアーシェリアスに問いかけたのも、後悔に苛まれ、過去に囚われていたからだろう。
女王が語る母の話を黙って聞いていたザックが、無言で女王にハンカチを差し出した。
「……そういうところも、シャーリーンに似ているわね」
例え自分を良く思っていない相手でも、優しさを見せる。
第二王妃になったシャーリーンもそうやって女王に接していた。
「あなたを見ていると、どうしてもシャーリーンを思い出す。彼女と同じ瞳で見つけられると責められているような気がしていたわ」
ハンカチを受け取り、女王はザックから視線を外した。
「だから俺にも冷たく当たっていたと?」
「否定はしないわ。あなたに非はないのもわかっています」
それでも、ザックを見れば様々な感情が込み上げてしまうことを女王は吐露した。
もちろんそこに、王位継承権について未だ大臣たちが意見していることも一因としてあるとも。
「今思えばバカみたいだわ。侍女である彼女と過ごした時間はとても楽しかった。中途半端な憎しみなど捨ててしまえればどんなに良かったか」
けれど、大切であればあるほど憎しみも増す。
そのジレンマは、シャーリーンが亡くなってからも女王の胸の内でくすぶり続けた。
肉じゃがを食べたかったのも、琥珀糖についてアーシェリアスに問いかけたのも、後悔に苛まれ、過去に囚われていたからだろう。
女王が語る母の話を黙って聞いていたザックが、無言で女王にハンカチを差し出した。
「……そういうところも、シャーリーンに似ているわね」
例え自分を良く思っていない相手でも、優しさを見せる。
第二王妃になったシャーリーンもそうやって女王に接していた。
「あなたを見ていると、どうしてもシャーリーンを思い出す。彼女と同じ瞳で見つけられると責められているような気がしていたわ」
ハンカチを受け取り、女王はザックから視線を外した。
「だから俺にも冷たく当たっていたと?」
「否定はしないわ。あなたに非はないのもわかっています」
それでも、ザックを見れば様々な感情が込み上げてしまうことを女王は吐露した。
もちろんそこに、王位継承権について未だ大臣たちが意見していることも一因としてあるとも。