破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
(破滅フラグが立ったら困るのに、どうしてこうもふたりに遭遇するの……?)

 旅に出れば、アルバートとミアから離れることができ、悪役令嬢アーシェリアスの破滅エンドフラグも立たないだろうと考えていたのに。

(いくらなんでもこの遭遇率はおかしくない? もしかして、だけど。破滅エンドフラグが軌道修正を計る為にミアとアルバートを寄こしてる?)

 勘繰り、その恐ろしい展開にひとり怯えている間にも会話は進んでいく。

「アルバート卿、俺は今、剣士ザックだ」

「は、失礼しました」

 畏まるアルバートの肩を、エヴァンは気さくな笑顔を浮かべて軽く叩いた。

「また会ったな、アルバート。カリドでもっとのんびりするものかと思っていたぞ」

「ああ、俺はそのつもりだったんだが、ミアがエスディオに行きたいと言ってな。先ほど到着したんだ」

 心が広いだろと言いたげな口ぶりでアルバートが説明するのを聞いて、アーシェリアスはさらに考え込む。

(ミアが? どうして急に?)

 やはり破滅フラグの影響なのか。

 今すぐここを去りたいアーシェリアスの気持ちを他所に、まだまだ会話は続いている。
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