破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】

「みんなの知り合い？」

　ノアが尋ねると、ザックが「ああ」と頷いた。

「アルバート卿はエヴァンと同じく王立騎士で、アーシェの元婚約者だ」

「えぇっ⁉　アーシェって婚約者がいたの？」

「今はその隣の女性が婚約者らしい」

「ミアと申します。よろしくお願いします」

　うふっ、と肩を小さく寄せて小首を傾げるミアに、エヴァンは大きな声で「エヴァンだ、よろしく頼む」と笑顔を見せる。

　ミアに興味がないノアは「ノアです」と軽く微笑んだのみ。

　それよりも、元婚約者だというアルバートをなめるように観察してからアーシェリアスを振り返った。

「うん、婚約解消できて良かったねアーシェ」

「おい待て、どういう意味だ！」

　アルバートが苛ついた声で突っ込むと、ノアは「やーん」と舌を出しながらアーシェリアスの背に隠れる。

　ノアが気に入らなかったのは見た目の派手さか、はたまた態度のでかさだろうか。

　どちらにしても激しく同意したいアーシェリアスは、誤魔化すように愛想笑いを浮かべた。