破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
「つまり、まだ死なないってこと?」

「うむ」

 すぐには、という意味だが頷くと少女は安堵して深く息を吐いた。

「よ、良かった…! 私、まだやりたい事たくさんあるので」

 だからまだ死にたくないのだと少女は微笑んだ。

「やりたい事?」

「そうです。両親は内緒にしてるみたいだけど、私、もう長くないって自分でもわかるんです。だから、動けるうちにやりたいことどんどんやろうって思って」

 天国へ行っても後悔しないように。

 死を悟っていても必死に生きるその姿に、ハクジュの心が小さく震える。

「我も、一緒にやってもいい?」

 それがどんなことかはわからないが、少女のやりたい事がどんなものなのか知りたかった。

「神様も?」

「人の世に興味があるんだ。そなたと共に過ごして、そなたのやりたいことを我も経験してみたい」

 願うと、少女は「ふふっ」と笑う。

「わかりました。神様が楽しめるかはわからないですけど……。あっ、私は小山理香といいます」

「よろしく頼む、コヤマリカ」

「はい、神様」

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