破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
通されたのは暖炉のある部屋だ。
広くはないが、木材でできた温かみのある家具に囲まれ、アットホームな雰囲気に包まれている。
若草色のソファーに腰を下ろし、キッチンへ向かったコスタを待つ。
暫くすると、彼はトレーにティーセットを乗せて戻って来た。
カップに注がれる液体は黒いが、コーヒーよりも透きとおっている。
「これ、ダークティーですか?」
「ええ、すごいですね。よくおわかりで」
ダークティーとはプーアル茶のことで、日本ではどこでも購入できる茶葉だ。
しかし、ファ乙の世界では貴重なもので、海を遥かに超えた大陸から輸入される。
その数は少なく、なかなか入手が難しい。
ファーレンではあまり出回っておらず、アーシェリアスも人生で口にしたのは片手で数えられる程度だ。
「これは祖母が気に入っていたお茶です。毎年、祖母の命日に間に合うよう行商人に頼んで手に入れてるんですよ」
「貴重なお茶をいただいてもいいんですか?」
「ええ、どうぞ。わざわざ祖母のことで訪ねてもらったんです。ぜひ」
「では、いただきます」
ひと口飲むと、芳醇でほんのりとした甘みが広がる。
広くはないが、木材でできた温かみのある家具に囲まれ、アットホームな雰囲気に包まれている。
若草色のソファーに腰を下ろし、キッチンへ向かったコスタを待つ。
暫くすると、彼はトレーにティーセットを乗せて戻って来た。
カップに注がれる液体は黒いが、コーヒーよりも透きとおっている。
「これ、ダークティーですか?」
「ええ、すごいですね。よくおわかりで」
ダークティーとはプーアル茶のことで、日本ではどこでも購入できる茶葉だ。
しかし、ファ乙の世界では貴重なもので、海を遥かに超えた大陸から輸入される。
その数は少なく、なかなか入手が難しい。
ファーレンではあまり出回っておらず、アーシェリアスも人生で口にしたのは片手で数えられる程度だ。
「これは祖母が気に入っていたお茶です。毎年、祖母の命日に間に合うよう行商人に頼んで手に入れてるんですよ」
「貴重なお茶をいただいてもいいんですか?」
「ええ、どうぞ。わざわざ祖母のことで訪ねてもらったんです。ぜひ」
「では、いただきます」
ひと口飲むと、芳醇でほんのりとした甘みが広がる。