破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
 アーシェリアスも通っていたグロリア学園は、隣接する騎士学校に進学できるシステムがある。

 ただし、ジェイミーが言った『騎士研修』というものをひと月ほど受ける必要があり、それを経た者のみ試験が受けられるのだ。

 前世で、ファレ乙をプレイしジェイミーを攻略した経験のあるアーシェリアスは、エンディングで必死になって主人公ミアに想いを伝える彼の姿を思い出す。

(ちょっと無鉄砲だけど、ジェイミーは心根が真っ直ぐで可愛いのよね。タイプじゃないけど)

 ファレ乙にハマっていた当時を懐かしく思っていると、ジェイミーと視線がかち合った。

「……あっ! あんたはアルバートさんの元婚約者!」

「こ、こんにちは、ジェイミー」

「ミアさんをいじめて、アルバートさんに捨てられたって噂だぞ」

「ええっ⁉ 誤解よ!」

 いじめてもいないし、捨てられてもいない。

 特にミアに関しては、ミアの芝居と策略によっていじめているように仕立て上げられていたのだ。

 だが、そう説明をしたところでジェイミーには信じてもらえないことがアーシェリアスにはわかっていた。

 その理由は、ジェイミーがアルバートに憧れているからだ。
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