破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
 アルバートのような優れた騎士になりたいと、ゲーム内でも耳タコになるほどに語っていたジェイミー。

 そんな彼に弁明しても理解は得られないだろう。

 誤解だと伝えられただけで十分。

 今は優先すべき用件について尋ねようと口を開きかけた直後。

「アーシェはそんなことはしないし、捨てられてもいない。むしろアーシェが捨ててやったんだ」

 ザックが庇うように訂正した。

 アーシェリアスの隣に立っているノアも「そーだそーだ!」と援護する。

(ああっ、ふたりとも! 味方してくれてめちゃくちゃ嬉しい! けど、アルバート大好きなジェイミーに向かって、私が捨ててやった発言は……)

「アルバートさんが捨てられた? アルバートさんみたいな凄い人が捨てられるわけないだろ!」

 ムッと不機嫌さを露わにザックを睨むジェイミー。

 予想通りの反応に、アーシェリアスは心中で(ほらー!)と叫んだ。

 すると、エヴァンがジェイミーの頭にげんこつを食らわす。

「いってえええ!」

「ジェイミー! アイザック様に対してなんて口のきき方だ!」

「アイザック様って、こいつのこと?」

 頭を押さえつつ、ちらっとザックを見たジェイミー。

「こっ、こいつなんて呼んでいい方ではない! アイザック様、申し訳ありません! 俺の教育不足でして」

 慌ててザックに頭を下げるエヴァンに、ジェイミーは唇を尖らせた。

「俺を育てたのは兄貴じゃないだろ」

「いいからお前も謝れ! 王子殿下だぞ!」

 そこまで説明され、ザックを凝視したまま固まるジェイミー。
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