破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
どうするべきか。
宿に戻ったアーシェリアスは、眠れずベッドの上で膝を抱えていた。
(ミアたちがいて破滅フラグも怖いのに、盗賊団に盗まれた本を追わないとならない……。もし、本がまだ灰鷹の元にある場合、ザックたちは巻き込めない。そうなると、残る手段は……)
すやすやと眠るシーゾーの寝息をBGMに悩んでいた時だ。
蝋燭の灯りが揺らめく静かな部屋に、コンコンと扉をノックする音が響いて背筋を伸ばす。
「はい」
「俺だ。少しいいか?」
扉越しに聞こえたのはザックの声。
アーシェリアスはシーゾーを起こさないようにベッドから降りると、木製の扉をそっと開けた。
「すまない、寝てたか?」
「ううん、まだ。どうしたの?」
今まで遅い時間にザックが訪ねてくることはなかった。
もしかしたら何かあったのではと、瞬きをしてザックの言葉を待つ。
「その、中に入ってもいいか?」
「ええ、どうぞ」
快く部屋に入れて扉を閉める。
部屋には椅子がないので必然とベッドに横並びで腰掛けた二人だが、アーシェリアスはそこで初めて気付いた。
勘違いでなければ、想いを通わせ合っているザックと、こんな夜更けに二人きりだということに。
しかも、ベッドの上。
宿に戻ったアーシェリアスは、眠れずベッドの上で膝を抱えていた。
(ミアたちがいて破滅フラグも怖いのに、盗賊団に盗まれた本を追わないとならない……。もし、本がまだ灰鷹の元にある場合、ザックたちは巻き込めない。そうなると、残る手段は……)
すやすやと眠るシーゾーの寝息をBGMに悩んでいた時だ。
蝋燭の灯りが揺らめく静かな部屋に、コンコンと扉をノックする音が響いて背筋を伸ばす。
「はい」
「俺だ。少しいいか?」
扉越しに聞こえたのはザックの声。
アーシェリアスはシーゾーを起こさないようにベッドから降りると、木製の扉をそっと開けた。
「すまない、寝てたか?」
「ううん、まだ。どうしたの?」
今まで遅い時間にザックが訪ねてくることはなかった。
もしかしたら何かあったのではと、瞬きをしてザックの言葉を待つ。
「その、中に入ってもいいか?」
「ええ、どうぞ」
快く部屋に入れて扉を閉める。
部屋には椅子がないので必然とベッドに横並びで腰掛けた二人だが、アーシェリアスはそこで初めて気付いた。
勘違いでなければ、想いを通わせ合っているザックと、こんな夜更けに二人きりだということに。
しかも、ベッドの上。