破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
「そんなわけで、なるべくミアとアルバートから離れるようにしているんだけれど、どういうわけかマレーアを出てもふたりとよく遭遇するの」

 シュタイル近くの宿場町で会ったのはミアだけだったが、カリド、そしてエスディオでは、ふたりセットだ。

 アーシェリアスの話に、ザックはピンときたようで眉を上げた。

「……もしかして、運命が追いかけてきてるってことか?」

「さすがザック! でも、ザックもそう思うならやっぱりそうなのかしら……」

 拳を顎に添えてうーんと唸るアーシェリアス。

「なるほどな。それで浮かない顔をしていたのか」

 得心がいったとスッキリした顔のザックは、アーシェリアスの話を信じた様子で話を続ける。

「しかし、その機械は凄いな。アーシェがいた異世界は随分と文明が進んでたんだな」

 前回と同じく、否定せずに受け入れてくれたザック。

 アーシェリアスは、ザックへの想いが増して溢れそうになるのを感じながら頷いた。

「そうね。電子レンジとか冷蔵庫があれば便利なのにって、何度も思ったわ」

「でん……れいぞう……?」

「えっと、冷めた料理をボタンひとつで温め直してくれる機械と、食材を冷やして鮮度を保つ機械ね」

 転生前の記憶の中にあるものを思い出しながら伝える。
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