破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
コンテストが開かれる市場は、常時より一層賑わっている。
優勝を目指す挑戦者は八人。
多くの観客が見守る中、各々調理する女性たち。
そのうちのひとりは──エヴァンだ。
そう、彼は参加が許されたのだ。
当然、受付時は辺りがざわついた。
『えっ、じょ、女性?』とひそひそ話す声も聞こえていた。
しかし、『おお、亡きうちの妻に似ている!』と、受付のバイトに精を出す、図書館の勘違いおじいさんにより無事突破できたのだ。
「残り時間、五分です!」
もみあげの長い司会者の男性が、大きな声でタイムリミットを知らせる。
アーシェリアスは、仕上げのタレを小鍋に入れて調合していた。
シーゾーが出してくれた醤油、みりん。
エスディオで仕入れた酢と酒。
こちらを合わせてから、一昨日市場でゲットした、大陸外から入荷したばかりだという大根をすりおろす。
おろした大根の汁気は合わせておいたタレの中に絞り流し、一度火にかけた。
「火にかけながらハンバーグを焼いた肉汁も足し入れて……出来上がりね!」
そうして、白い皿に盛り付けて仕上がったのは、野菜を色鮮やかに添えた『和風おろしハンバーグ』だ。
優勝を目指す挑戦者は八人。
多くの観客が見守る中、各々調理する女性たち。
そのうちのひとりは──エヴァンだ。
そう、彼は参加が許されたのだ。
当然、受付時は辺りがざわついた。
『えっ、じょ、女性?』とひそひそ話す声も聞こえていた。
しかし、『おお、亡きうちの妻に似ている!』と、受付のバイトに精を出す、図書館の勘違いおじいさんにより無事突破できたのだ。
「残り時間、五分です!」
もみあげの長い司会者の男性が、大きな声でタイムリミットを知らせる。
アーシェリアスは、仕上げのタレを小鍋に入れて調合していた。
シーゾーが出してくれた醤油、みりん。
エスディオで仕入れた酢と酒。
こちらを合わせてから、一昨日市場でゲットした、大陸外から入荷したばかりだという大根をすりおろす。
おろした大根の汁気は合わせておいたタレの中に絞り流し、一度火にかけた。
「火にかけながらハンバーグを焼いた肉汁も足し入れて……出来上がりね!」
そうして、白い皿に盛り付けて仕上がったのは、野菜を色鮮やかに添えた『和風おろしハンバーグ』だ。