破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
「あ、あははー。色々事情があって……。本人の為にもそこは触れずにお願いします」
アルバートは『一国の王子が何をしているのだ』と言いたげに眉を顰めたあと、「あれは無理があるだろ」と呆れた眼差しでエヴァンを見た。
(私のワガママのせいでふたりが変な目で見られてしまった……)
アーシェリアスはごめんなさいと心の中で謝罪する。
「それにしても、料理はもしかしてアーシェが教えたものか?」
「ええ、そうです。よくわかりましたね」
「当然だ。僕もお前の作る珍しい菓子や料理を味わわされたからな」
言われてみれば、アルバートにもどら焼きや野菜と和風だしのテリーヌを差し入れたこともあった。
全て兄、レオナルドの為に作ったついでだが。
「まあ、お前が僕の為に作ったそれらは嫌いじゃなかったぞ」
勘違いして元婚約者を褒めるアルバートの横で、黙って話を聞いていたミアの片眉がピクリと上がる。
(ミアがイライラしている⁉)
脳裏に過るゲームで見た破滅エンドの光景。
(ダメダメダメ! 家族や屋敷のみんなに迷惑をかけたくない! 早くフラグをへし折らないと!)
ミアの機嫌を上げた方がいいのか、ここから離れるのが得策か。
いっそどちらもやってみようかとアーシェリアスが口を開いた時、ミアがにんまりと微笑んだ。
(あ……なんだか、嫌な予感が)
口を開いたまま静止するアーシェリアスの予感は的中。
「ねぇアルバート様! 私、アーシェと別の場所でゆっくりお話しがしたいです」
ミアがとんでもないおねだりをして、アーシェリアスは心の中でムンクの叫びにも勝る絶叫を上げた。
(やめてえぇぇぇぇぇっ!)
アルバートは『一国の王子が何をしているのだ』と言いたげに眉を顰めたあと、「あれは無理があるだろ」と呆れた眼差しでエヴァンを見た。
(私のワガママのせいでふたりが変な目で見られてしまった……)
アーシェリアスはごめんなさいと心の中で謝罪する。
「それにしても、料理はもしかしてアーシェが教えたものか?」
「ええ、そうです。よくわかりましたね」
「当然だ。僕もお前の作る珍しい菓子や料理を味わわされたからな」
言われてみれば、アルバートにもどら焼きや野菜と和風だしのテリーヌを差し入れたこともあった。
全て兄、レオナルドの為に作ったついでだが。
「まあ、お前が僕の為に作ったそれらは嫌いじゃなかったぞ」
勘違いして元婚約者を褒めるアルバートの横で、黙って話を聞いていたミアの片眉がピクリと上がる。
(ミアがイライラしている⁉)
脳裏に過るゲームで見た破滅エンドの光景。
(ダメダメダメ! 家族や屋敷のみんなに迷惑をかけたくない! 早くフラグをへし折らないと!)
ミアの機嫌を上げた方がいいのか、ここから離れるのが得策か。
いっそどちらもやってみようかとアーシェリアスが口を開いた時、ミアがにんまりと微笑んだ。
(あ……なんだか、嫌な予感が)
口を開いたまま静止するアーシェリアスの予感は的中。
「ねぇアルバート様! 私、アーシェと別の場所でゆっくりお話しがしたいです」
ミアがとんでもないおねだりをして、アーシェリアスは心の中でムンクの叫びにも勝る絶叫を上げた。
(やめてえぇぇぇぇぇっ!)